歴史を知れば怖くない?インフルエンザ・パンデミックの知られざるドラマ
この記事の目次
はじめに:ウイルスとの戦いは繰り返す
「新型インフルエンザ」や「パンデミック」。最近よく耳にする言葉ですが、実は人類は過去に何度も大きなウイルスとの戦いを経験してきました。 今回は、過去100年間に起きた4つの大きなインフルエンザ・パンデミックの歴史を紐解きながら、私たちがそこから何を学べるのか、少し覗いてみましょう。

https://www.seirogan.co.jp/fun/infection-control/influenza/pandemic.htmlより画像は引用
① 史上最悪の「スペイン風邪」:名前の意外な由来
まずは約100年前(1918年〜)に世界中で大流行した「スペインインフルエンザ(スペイン風邪)」です。
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(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%8B%E3%81%9Cより画像は引用)
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どれくらい凄かった? 当時の世界人口の3分の1以上が感染し、2,000万〜5,000万人が亡くなったとされる史上最大のパンデミックです 。 日本でも第1波から第3波まであり、合計で約40万人近くの方が亡くなりました。「感冒のため一村全滅」といった衝撃的なニュースも流れたそうです 。
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なんで「スペイン」なの? 実は、スペインが発祥地というわけではありません。当時は第一次世界大戦中で、参戦国は自国の被害を隠して報道しませんでした。しかし、参戦していなかったスペインだけがありのままの状況を世界に報道したため、「スペインから始まった」かのように誤解されてその名がついたと言われています 。
② 修学旅行が運んだ?「アジアインフルエンザ」
次は1957年に発生した「アジアインフルエンザ」です。

(https://www.caicm.go.jp/houdou/article/feature/backnumber/kako_10.htmlより画像は引用)
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日本での広がり方 5月に世田谷区の小学校で最初の流行が確認されましたが、実は全国への拡大に「修学旅行」が一役買ってしまったのではないかと言われています 。子供たちの移動と共にウイルスも旅をしてしまったのですね。
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ワクチンの教訓 当時、すでにインフルエンザワクチンはありましたが、新型には効果がありませんでした。急いで新しいワクチンを作ろうとしましたが、製造が間に合わず、流行のピークが過ぎた後に大量に余ってしまうという混乱もありました 。
③ 日本のファインプレー!「香港インフルエンザ」
1968年の「香港インフルエンザ」では、日本の研究者たちの活躍がありました。
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名古屋港での発見 香港経由で名古屋港に入港した船の乗組員の症状から、いち早くウイルス(A/愛知/2/68)を発見できました 。

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ワクチンが間に合った! 研究者がすぐに香港へ飛びウイルスを入手したことや、早期の発見により、この時は流行が本格化する前にワクチンの製造をスタートできました 。 また、この時期からワクチンの改良が進み、熱が出にくい現在のタイプ(HAワクチン)の実用化へと繋がっていきました 。
④ 記憶に新しい「2009年パンデミック」
まだ記憶に新しいのが、2009年にメキシコやアメリカから始まった新型インフルエンザ(H1N1)です。
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豚由来のウイルス 鳥、人、豚のウイルスの遺伝子が、豚の体内で混ざり合って生まれた「新型」でした 。
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日本の対応はどうだった? 日本では神戸や大阪の高校を中心に広まりましたが、学校閉鎖などの対策によって、一気には広がりませんでした 。 結果として、日本の死亡率は世界的に見ても非常に低く抑えることができました 。今ではこのウイルスも「季節性インフルエンザ」として定着しています 。
おわりに:歴史から学ぶこと
こうして歴史を見ると、インフルエンザウイルスは少しずつ姿を変えたり(連続抗原変異)、突然変身したり(不連続抗原変異)して、何度も流行を繰り返していることがわかります 。
2009年のパンデミックは比較的軽症で済みましたが、だからといって油断はできません 。 過去の教訓は、現在の新型コロナウイルス対策や、将来の感染症対策にも必ず活きてくるはずです。私たちも正しい知識を持って、日々の予防を続けていきましょう。
正い感染対策についても次回解説予定です。
