メディカルダイエット:メトホルミン
メトホルミンを活用したメディカルダイエット――健康的に痩せる新たな選択肢
ダイエットの壁に何度もぶつかってきた方、自己流での失敗やリバウンドに疲れていませんか?
メトホルミンは、糖尿病治療薬として知られる一方で、メディカルダイエットにも活用される薬剤です。
そんなあなたに、科学的根拠に基づいた「メトホルミンを活用したメディカルダイエット」をご提案します。
さらに今回は、注目されているGLP-1との比較を通じて、それぞれの特徴とメリットを詳しく解説します。
メトホルミンとは?
メトホルミンはもともと2型糖尿病の治療薬として開発され、50年以上の歴史を持つ医薬品です。近年、糖尿病患者だけでなく、肥満や生活習慣病の改善にも役立つことがわかり、健康的なダイエットの新しい選択肢として注目されています。
メトホルミンは海外から1998年に発表された大規模臨床研究UKPDS34で、肥満を伴う2型糖尿病患者の予後を改善することが示されました。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9742977
これ以降に、欧米のガイドラインでは2型糖尿病治療薬の第一選択薬となりました。日本でも2010年にメトホルミンの最高投与量が1日750 mgから2250 mgに引き上げられ、多くの2型糖尿病患者さんに使用されるようになりました。
承認薬として広く使用されるようになり、その有効性と安全な使用法についての知見が蓄積されている薬剤とも言えます。
メトホルミンの特徴と効果
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血糖値の安定化
インスリンの感受性を高めることで、血糖値の急激な上昇を防ぎます。その結果、脂肪が蓄積しにくい体質へ。 -
内臓脂肪の減少
特にお腹周りの脂肪に効果が期待できます。生活習慣病のリスクが高い方に最適です。 -
食欲抑制
食欲を自然に抑える作用があり、無理な食事制限が不要。 -
安全性
長年の使用実績があり、副作用が比較的少ないことが知られています。
GLP-1との比較――使い分けとはじめ方?
GLP-1受容体作動薬も、メディカルダイエットの選択肢として注目されています。それぞれの特徴を比較してみましょう。
特徴 | メトホルミン | GLP-1受容体作動薬 |
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使用形態 | 経口薬(1日1~3回) | 注射薬(週1回、または毎日) |
効果の特徴 | 主に内臓脂肪の減少と血糖値安定化 | 強力な食欲抑制効果と脂肪燃焼促進 |
費用 | 比較的安価(保険適用の場合月数千円) | 比較的高価(保険適用外の場合1か月数万円以上) |
副作用 | 下痢や胃の不快感(軽度) | 吐き気や便秘(初期に多いが軽減する場合が多い) |
対象者 | 比較的軽度の肥満や生活習慣病予防を目指す方 | 短期間で効果を出したい高度肥満の方 |
メトホルミンを選ぶ理由
- 手軽に始められる経口薬で、注射への抵抗がある方にも適している。
- 費用面で負担が少なく、長期的な継続が可能。
- 体への負担が少なく、生活習慣の改善と併用することでより高い効果が期待できる。
GLP-1が適している場合
- より短期間で体重を大幅に減らしたい場合。
- 食欲のコントロールが難しい方。
メトホルミンダイエットの効果とは?
実際の効果〜痩せる主な理由は以下の5つです。〜
- 食欲を抑える・満腹感が持続する
- 小腸で糖の吸収を抑制する
- 便中に余分な糖を排出する
- 筋肉での糖利用を促す
- 脂肪酸の分解を促す
1. 過剰な食欲を防ぐ
メトホルミンは、痩せホルモンであるGLP-1ホルモンの分泌を増加させ、満腹中枢を刺激して食欲を抑えます。GLP-1の働きによって過剰な食欲が抑えられ、食事量をコントロールしやすくなります。メトホルミンだけでの痩せの効果はマイルドですが、他の薬剤との併用で、痩せの効果が高くなります。
2. 満腹感の持続
メトホルミンの服用によって分泌が増加したGLP-1ホルモンは、胃の運動を抑制することで、食べ物を胃の中に留まりやすくします。消化が遅くなることで、食後の満腹感が持続しやすくなり、間食を減らしやすくなります。
3. 糖分を排泄しやすくする
メトホルミンは、血液中の余分な糖分を便として排出する働きがあります。
メトホルミンは小腸での糖の吸収を抑制する効果が期待できます。小腸からの糖吸収を防ぐことで、体内に脂肪がため込まれないようになるためです。また、便中に体内で余っている糖を排出する作用を持つことがわかっています。体内に糖をため込みすぎないことは、結果的に脂肪をため込みにくくなります。
4. 筋肉量の増加で引き締まった体に
メトホルミンは糖利用を促し、筋肉でエネルギーとして消費しやすくする働きがあります。これは、メトホルミンによってAMP活性化プロテインキナーゼと呼ばれる酵素が活性化されるためです。通常体内では糖が余っていると脂肪としてため込まれます。よってメトホルミンは全身のエネルギー代謝の効率を高める効果が期待でき、脂肪を燃焼させ、筋肉量を維持しやすくします。
メトホルミンの強み
- 内臓脂肪の減少:1~3か月で約2~5kgの減量が期待できる(※個人差あり)。
- 生活習慣病の予防:血糖値やコレステロール値の改善が見られる。
- 長期的に使用しても体に負担が少ないため、健康維持と体重管理を並行して行える。
- 血糖値コントロールにより、食後の眠気やだるさも軽減される。
- 老化の原因になる活性酸素を抑制したり心血管疾患の発症リスクが減少したりと、近年ではエイジングケア効果があることが注目されています。
メトホルミンの飲み方
糖尿病治療の場合は1回250〜750mgを1日2〜3回服用することが一般的です。
ダイエット目的の場合は、最初の1ヶ月は、1回1錠(250mg)を朝と夜の1日2回飲みます。
そして、1ヶ月経過したら1回の服用量を500mgに増やすこともあります。
なお、服用タイミングは食事の直前や食後に飲むのがよいとされています。
こんな方におすすめ!
- 健康的な方法で痩せたい方。
- 糖質が多い食生活が習慣化している方。
- ダイエットを続けても内臓脂肪が減らない方。
- 手軽に始められるダイエットを探している方。
注意点――必ず医師の指導を受けて始めましょう
メトホルミンは医薬品であり、医師の診察と処方が必要です。特に以下の点には注意が必要です:
- 腎臓や肝臓に疾患のある方は使用できない場合があります。
- 一部の方に、服用初期に軽い下痢や胃の不快感が見られることがありますが、通常は数日で改善します。
メトホルミンを飲む時は、低血糖症状やアルコールの過剰摂取に注意しましょう。
詳しくは以下の通りです。
低血糖症状に注意する
メトホルミンによって血糖値が下がりすぎ、低血糖症状が現れることがあります。症状の例としては、冷や汗、血の気が引く、疲れやすさ、強い空腹感、手足が震える、意識が低下するなどが挙げられます。
このような症状が現れたときは、糖分の多い食べものや砂糖をすぐに食べる必要があります。
また、家族などの周りの人にも、低血糖症状になるリスクがあることを伝えておき、症状が出たら糖分をとらせてもらえるようにサポートをお願いしておきましょう。
アルコールの過剰摂取をしない
服薬中のお酒の飲みすぎや脱水によって、乳酸アシドーシス(血液中の乳酸の濃度が上がる)が起きることがあります。
そのため、メトホルミン服用中の過度のアルコール摂取は禁止されています。
メトホルミンを処方できない方・注意事項
メトホルミンを処方できない方は以下のとおりです。
処方できない方
- 妊娠中、授乳中の方
- 他に糖尿病の薬や利尿薬を服用している方
- 経口摂取が困難な方、寝たきりの方など全身状態が悪い方
- 乳酸アシドーシスの既往歴がある方
- 16歳未満や75歳以上の方
- 大量の飲酒をする方
- 手術前後の方
- 脱水症状がある方
- 肝臓・腎臓(推算系球体ろ過量(eGFR)が30mL/分1.73m2未満)・心臓・肺機能障害のある方
- インスリンの絶対的適応がある方
- 栄養不良の方
- 下垂体・副腎機能不全の方
上記に該当する場合は副作用をおこす可能性があるため、メトホルミンを処方できません。他に食事が不規則、または十分に摂れていない方や激しい運動をしている、感染症にかかっている方も事前に相談するようにしましょう。
メトホルミンダイエットを始めるには?
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医師の診察を受ける
現在の体の状態をチェックし、適切なプランを立てます。 -
服用を開始する
少量から始め、体調に合わせて調整します。 -
食事と運動を見直す
薬の効果を最大化するため、バランスの取れた食生活や適度な運動を心がけましょう。
最後に――未来の自分のために、一歩踏み出してみませんか?
メトホルミンは、健康的に痩せたいと願う全ての方におすすめの医療ダイエットです。忙しい毎日でも無理なく取り入れられ、生活そのものを変える可能性を秘めています。
当院ではオンライン診療という形であなたをサポートし、無料の相談・カウンセリングもしています。
あなたの理想の体と健康的な生活をサポートするために、ぜひ一度、医師にご相談ください。